秘密の誘惑
今度は足音が聞こえてきた。



パトカーに追われている犯人かもしれない。



そう思うと息も潜めるしかなかった。



だんだんと意識が遠のいていくのが分かったが、自分ではどうすることも出来ない。



膝を抱えて座っていた萌は地面に倒れた。



* * * * * *



ディーンがカーティスの運転で到着した時、警察官が萌を抱え上げ、もう1人の警察官は救急車を呼んでいるところだった。



「萌!!!」



ディーンは警察官の腕の中で意識を失っている萌の元へ駆け寄る。



「あそこの垣根の陰で見つけました 意識障害を起こしているようです 数分後に救急車が来ます」



警察官がディーンに説明をする。



「外傷は?」



手を伸ばし警察官から萌の身体を奪い取るようにして抱きとめる。



「見たところなさそうです 着衣の乱れもありませんでしたから」



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