秘密の誘惑
萌からはディーンのサラサラの金髪しか見えない。


まるで王子様がひざまずいて・・・・。


白昼夢を見そうだった。



シンデレラを探す王子様はガラスの靴を足に――


「萌?萌?大丈夫か?」


ディーンが顔をあげてぼんやりしている萌を呼ぶ。


「えっ?は?はい」


「手荒な真似をしたが、これが一番効くんだ」


包帯を巻き終えたディーンが片づけをしながら言う。


「ありがとうございました すごく楽になりました」


萌はこの部屋に来て初めて笑顔をディーンに向けた。



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