秘密の誘惑
「裕美の話は聞いたね?」


萌はコクッと頷いた。



隣の秘書室が茶系でまとめられていたが、この支社長室は黒でまとめられていた。



黒皮のソファーに勧められて萌は座った。



突然の異動だったので萌は秘書らしい服装ではなかった。



ショッキングピンク色のノースリーブのトップスに薄いピンク色のカプリパンツ。



制服に着替えるのだからと適当に着てきたのだ。



裕美は服装に何も言わなかったが良いとは思っていないだろう。



「あたしには無理です」


「どうして?」


ディーンが形の良い眉を上げる。


「どうしてって・・・秘書になる勉強をした事がないし・・こんな人事異動は異例すぎておかしいと思われます 噂にだってなるだろうし・・・・」


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