白いジャージ5 ~先生とラベンダー畑~



「1年生!! 俺達2年に何か言いたいことがあったらこの場で言ってくれ」



次期部長の生徒が立ち上がり、1年生に向かって大声を出した。



1年生は、数人が下を向き、数人が隣の生徒を顔を見合わせた。




「ないのか?」



もう一度聞く。




「…… もっと仲良くなりたいです」




1年生、かわいいことを言うじゃないか。


でも、それは俺も願っていたこと。



今の1年生と2年生の間には、壁がある。





「川端が先輩達にパンを頼まれるのを見ていて、ちょっとうらやましいって思ったこともあったんです。俺は、先輩から何も頼まれたりしないから」



1年生の中で一番短距離のタイムが速い生徒。



「3年の先輩は、2年の先輩のことを本当にかわいがっていて、信頼関係とかすげーなっていつも思ってた。僕らもあんな風になりたいなって思ってます」




普段は大人しい生徒も口々に意見を言い出す。




いいぞ。


こういうの、俺…… 大好き。





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