下心と、青春と
その、喧嘩を止めようとか思わないのだろうか。
「んだよこれ。味薄いぞ」
「うちは薄味なの」
「薄味過ぎんだろ」
「そんなことないもん!アンタが濃過ぎなんじゃないの!?」
「お前が薄いんだよ」
薄味か濃い味かと口論していたら、剣之助くんはもう食べ終わっていた。
「梨太郎」
「んだよ」
「彼女なんだったら守ってやれよ」
「何から?」
「お前も見ただろ。いじめ」
いじめという言葉を聞いて、めんどくせえと呟く梨太郎。
「コイツだって、覚悟があってオレと付き合ってんの。大丈夫なの」
「でもな……」