下心と、青春と
「……なんでいんの」
朝、家から出たら、家の前に梨太郎がいた。
何故だ。
私の家の場所なんて知らないはずなのに。
それに、昨日だって一緒に帰らなかったし、もういいのかと思ってた。
「高川に聞いた。アイツ簡単に教えてくれたぜ」
「あ、そ」
ちなみに、高川とは千代吉くんのことです。
私は華麗に梨太郎を避けて、歩いた。
「今日から毎日オレが迎えにここまで来てやる」
「結構です。大きなお世話」
梨太郎が私の肩に手を乗せるので、手でパッと払った。