ツギハギの恋
コンビニの前でぼーっと突っ立っている一見、イケメン。

あたしは構わず後ろから蹴りを入れた。


「ちょっとアンタ何してんの!?」

「イッタ!ロー入った。ロー」

「何で来ないのよ」

「え〜ミリちゃんが外で待ってろって言ったじゃん?」

「冗談でしょ!何、真に受けてんの!?」

「んも〜。どっち!?ミリちゃん意味わかんない!」


ぼやくひなたを無視して再び店内に入る。
マジでアホだコイツ……。

ひなたは店内に入ると大人しくあたしの後ろについて来た。



お菓子コーナーを回って雑誌コーナーをチラっと見る。
そこには客が一人立っていて、あたしは心臓が飛び出そうになるくらいビックリした。

黒髪のアシメヘアー……。

って!ヤッバ!!
あっちゃんじゃん!



幸い、雑誌を見るのに夢中であっちゃんはあたしに気付いてない様子だ。

てか、入る前にあたしが気付けよ!


あたしは自分に突っ込むと速、バックしてお菓子コーナーの通路からレジに直行した。
< 97 / 288 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop