近未来拡張現実エンタメノベル『MIKOTO-The Perfect PROGRAM』
☆喫茶店の超監督(3)

「たいくつー。注文ないかなー」
ハルヒっぽいのが横にへたりこんでいる。
ホントに注文ないかな。
俺は『着いったアッー!』のログを漁りだした。

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(未解決)
ken:一番近い薬局どこか教えて!
約1分前 現在地はココ
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(未解決)
もふ:やばい、トイレがない
約2分前 現在地はココ
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(済)
昇天:この島って釣り場にラーメン出前もしてくれるんだっけ?
約10分前 現在地はココ
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(一言)
warawara:ドルチェアイスおいしいです
約12分前 現在地はココ
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(済)
nando:伯方島から尾道行きのフェリーって情報あります?
約18分前 現在地はココ
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ログはこんなふうに表示されていく。
済、となってるのは、既に誰かが回答して質問が解決したことを意味する。
一言、というのは単なる一行コメント。

で、ビジネスに結びつくのはこの「未解決」ってやつだ。
解決してあげればお礼としてポイントを受け取り、ポイントはしまなみ観光協会で換金できる。もちろんポイント販売も観光協会が行っている。
一回20円とか30円の時もあるが、積み重なると意外とデカい。これだけで月に10万とか稼いでる猛者もいるくらいだ。教えてクン様様だ。

だが今のところ小物だらけ。もうちょっと大きな獲物はないものか。
と、俺はブラウザのリロードボタンを押す。
ん?12秒前?

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(未解決)
うま:のどかわいた・・・いま多々羅大橋に入る自転車専用道路・・・どうしよう
約12秒前 現在地はココ
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キターーーーーーー!!!!!!!
こういう案件を待っていたのだ。緊急案件は質問系よりはるかにリターンがでかい。
俺はものすごい勢いで彼に対してレスを開始した。スピードが勝負なのだ。
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