甘い夏  煙草の匂い



言った後に「やっちまった」的な顔をして、深くうつ向く。


…まさか?


「きゃ!」


真那を膝に乗せたまま、モンブランパフェの空容器に手を伸ばす。

原材料、原材料…アルコールらしき物は入っていない…。

…と、言うことは…?


「あっ…別にダメならいいんですっ!

…ってゆーか、上杉さんが言えっていうから…

…あ!だからってワケじゃなく!その…」


…間違いなく、シラフだ。


もう一度、テーブルにパフェの空容器を置き、真那に向き直る。


「ふっ…」


親指でそっと唇を撫でるだけで、甘い溜め息が漏れてくる。


「…あの…やっぱり、またの機会…に…」

「…黙って。」

「…え?んっ…!」


真那の唇を覆うように、キスをする。


「ん…んっ…!」


何度も角度を変えながら、真那の唇を食べつくす。

その度に漏れる声が「もっと」と催促されてるかに感じ、キスの勢いが増す。





…チュ…チュウッ…





真夜中過ぎのリビングに、真那の声とリップ音だけが響き渡る…。




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