甘い夏 煙草の匂い
「ダメ…ダメぇ…待っ…」
上半身を揺らし抵抗するが、徐々に膝が立ってきた事を見逃さなかった。
一度離れ、着ていたシャツを脱ぎ捨てる。
「…っ!…上杉さ…」
「だから、龍太だって。」
「ま…待って…」
「…待てねぇよ。」
一度離れてしまった事によって、再び固くガードされた真那の胸。
今度はTシャツの中へ手を差し込み、ガードの下から指を忍び込ませようと格闘する。
「なっ…!ダメっ…」
「真那…諦めろ…。」
「ちょ…上杉さん!」
「今日は、何があっても…離さねぇ。」
「上…」
「お前が好きだ。少しずつでいいから…お前も俺を好きになれ…」
そう言い終え、真那にキスをする。そのまましばらく格闘していた指先が、ふと軽くなった。
真那が胸への侵入を許したのだ。
「…真那?」
肩で息をする真那が、少し拗ねながら答える。
「だって…どうせ、力じゃ敵わないから…」
その顔が愛しくて、強く体を抱きしめる。先程まで胸をガードしていた両手が俺の背中に廻り、弱く抱き締め返す。
「…龍太…さ…んっ…」