まもりねこ。
第一章 人間。

 毎年この時期になると愚痴をこぼしているのは、自然な栗色の髪の毛と、同じく栗色の瞳。


 髪の毛は腰まであり、身長も体重も平均的な少女、ネム。


 整った顔立ちのせいか14歳という年齢の割にはどこか大人びている。

 
 黒いマントに、白いシャツ。

 シャツの首元にはお気に入りの赤いリボン。

 肩はふんわり広がったデザインになっている。

 そして……黒いコルセットに黒いふんわりしたスカート。 


 ――白いパニエ付きの。


 これがネムお決まりのコーディネートである。


「忙しいのは分かるんだけど、毎年プレゼントが手抜きなのよ」


 ゆるいパーマがかかったような髪をいじるのは彼女の癖だ。


< 2 / 251 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop