まもりねこ。
言われるままにネムは首の裏を恐る恐る覗き込んだ。
「本来なら魔法使いの刻印があるはずだが……そやつにはなかろう。」
――確かに、刻印はなかった。
ネムも、エレンお婆ちゃんも、ディルクも、パパもママも他の国の人たちも……
皆、首の裏に刻印があるのである。
「疑ってごめん。でも、放っておくのは可哀想だよ。しかもこのままにしておいたらゴブリンたちに食べられちゃう」
「この者を助けた事が王にばれたりしてみろ、私たちは処刑されるぞ。この人間は災いの者だしな」
「なぜ、なぜ災いって分かるの? 人間は私たちになにかしたの?」
「ネムが産まれてから今まで、実は2度、人間がこちらの世界に来ている。一人目は青い光の中から現れし者。そして……」
ディルクはネムから目をそらした。
「もう一人は赤い光の中から現れし者。赤い光から来た者はこちらの世界を滅ぼそうとたくらんでいた者だった」
ネムは深呼吸し、気持ちを落ち着けようと試みたが、失敗に終わった。
「ネムが産まれる前にも何人かこちらに来ているようだが、どれも赤い光の人間だけが悪企みをしていたため、災いの者と呼ばれるようになったのだ」