偽りのface
「モデルの木下　梨乃ちゃんとかかな？」
と、にっこり甘い微笑みをこぼしながらそんなことを言ってくれた。

あ、木下　梨乃って私の芸名ね。
私の事務所は基本名前のままなんだけど、スカウトされた時に芸名にすることを条件にしてモデルになった。


「あの人かぁ～。めっちゃ可愛いよね。風峰君とだったらお似合いかも～」


そうなのかな？ま、私に恋愛感情ないし。人を恋愛感情として好きになったこと無いもん。


「でも、そのモデルの梨乃ちゃんと名前どころか漢字まで一緒のブスがいるんだよね～」

こっちを見ながらブスって言葉を強調して言った女子Ａ。


「そういえばいたねそんな人」
女子Ｂが言った。

嗚呼ヤダヤダ。あういうの。飲み物でも買いに行こう。
そう思って私は席を立った。


「あれ？あの子・・・」


風峰君がそういったのを私は知らなかった。




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