恋の唄



「お前、怪我してんじゃん」

「あはは、ちょっと修羅場ってきたの」

「はぁ?」


眉をしかめた俺に、そいつはおかまいなしって感じで声を発したんだ。


「ねぇ華原。どうして男って浮気するの?」


唐突な質問に眉を潜めた俺だったけど、いつも唐突な質問をぶつける奴だったのを思い出した俺は、とりあえず適当に答えてやった。


「男だからじゃなくて、そいつだからだよ」

「華原はしないの?」

「しねぇよ。なんか面倒そうだし」

「……そっか」


悲しそうに笑ったクラスメイト。

それが、一花。




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