Chain〜切れない鎖〜
夏休み中なのに学校は賑わっていた。

それもそのはず。
夏休み明けの学園祭に向けて、準備は大詰めになっていたからだ。




隼人がギターを背負って走り回っていた。
一馬も一緒だと思ったが、あたしを見るなり「一馬は?」の一言。
こっちのセリフだっていうのに。

だから、仕方なく、あたしたちは一緒に一馬を探すことになった。




「まったく、自分勝手な男だよ」

隼人が文句を言う。

どうやら練習時間になっても現れないため、ご立腹のようだった。


「あいつのことだから、どこかでサボってるだけでしょ?」


その可能性が一番高い。
あたしもきっとそうだと思っていた。

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