Chain〜切れない鎖〜
あたしたちのクラスは、店番を当番制にしている。
今は一馬も店番をしないといけない時間帯なのだろう。
正義感の強い華は、そういう自分勝手な行動を放っておけないんだろう。


階段を駆け上がり、屋上の扉をバンッと開いた。





何で華は屋上に来たんだろう。
どうして分かったんだろう。




あたしの目の前には、フェンスに掴まって下を眺めている一馬の背中があった。

焦げ茶の髪が、風になびいていた。

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