Chain〜切れない鎖〜
「あたしは、桜井君たちにいじめられた」

「え…」

予想外の言葉に息をのむ。
どう考えても、一馬はいじめをする人には見えない。
大して他人には関心がなく、あまり心を開かない。
それに、いじめられてたあたしを助けてくれた。


「一馬はそんなことしない」

そう言ったあたしに、華は一枚の写真を渡した。





…背筋が凍った。






あいつらとそっくりだった。

びっくりするくらい。


そこに写っていた一馬は、今の一馬からは想像出来ないような姿だった。

金髪の直毛は長めのウルフヘアでキメられていた。
キレたような目付きでこっちを睨んでいる。
手には煙草。
耳にはあり得ないピアス。
改造した変な学ラン。



…どう見ても別人だった。

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