Chain〜切れない鎖〜
華に言葉をかけたい。
でも、かける言葉が見つからなかった。


「脅された。
桜井君に、芽衣に言ったら殺すって」

「一馬が…?」

信じられなかった。
一馬、弱い者いじめをする人、嫌いなんて言っていたのに。


「私は別の人生を歩みたかった。
なのに、この学校には桜井君がいた」

「華…」

「どこまで私を苦しめるの?
許せない。

…許せないよ」



華は震えていた。
あたしはそんな華の背中をただぎゅっとしてあげることしか出来なかった。

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