Chain〜切れない鎖〜
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全てが現実離れしていた。
今、あたしの身に起こっていることが理解出来なかった。

いつもは華と寄るカフェに、なぜか一馬といる。
一馬はいつものように黙ってあたしを見ていた。



「あの…付き合ってるんでしょうか?」

確認のために聞いてみる。

「お前が良ければな」

なんて返事が返ってきた。

あたしはお前じゃないのに。
それに「お前が良ければな」はこっちのセリフだ。




「あなたはヤンキーですか?」

確認のために聞いてみる。

「喧嘩売ってんのかよ」

なんて返事が返ってきた。

喧嘩売るような返事ばっかりするのは、一馬の方だっつうのに。


仕方なく、あたしは黙ってアイスココアをすすった。
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