鏡の中のアタシ。

夜は肌寒いが、まだまだ昼間は天気のいい日は、暖かい。
気分は、沈みかけていたものの、背中にあたる日ざしは気持ち良く、やっぱり早く出てきてよかったと思い、いつもよりずっとゆっくり歩いて待ち合わせ場所まで向った。



雄也は、いわゆる人気者だ。
そこそこの顔と、ひとなつっこい笑顔とノリの良さで、男女問わず常にまわりに人がいるタイプの人間。
里菜は、いつもそぉゆう人に惹かれる。
ただ里菜の場合は、そぉゆう人が好きなんじゃなくて、そぉゆう人の彼女って場所に惹かれるのだ。

顔派、中身派とかじゃなくて両方。
しいて言うなら、身長もあって、免許ももってたら有り難い。

里菜的いい男に出会うと里菜は、“もし彼女になったら”を考えて、その場所に行きたくなった時に、頑張って手にいれるのだ。

まさに雄也もその通りだった。
そのために普段着たりしない服をきて、もちろんタバコも吸わず、口調だって考えて、清純派になりすましているのだ。