鏡の中のアタシ。


「………」

「………」


向かいあった2人は黙ったまま、冷めたコーヒーを見つめていた。



「コーヒーのおかわりいかがですか?」

店員さんの明るい声が聞えて、美緒は顔を上げた。
店員さんに軽く会釈すると、店員さんは、笑顔で会釈を返し、二人分温かいコーヒーを注いでくれた。


「…温かい…」

一口飲むと、身体の中をゆっくりと通るのが、わかる。

美緒は、少し落ち着きを取り戻した気がした。

少し表情が明るくなる。


大地も、美緒に続きコーヒーを飲み、温かさに包まれた。


暖かみというのは、いかなるときにも、安堵感を与えてくれる。

張り詰めた空気も、いつのまにか緩やかになっていた。


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