鏡の中のアタシ。
美緒とアタシ。
「美緒ぉ−…」
一度流れだした涙は、留まることを知らない。
あの後あてもなく走りまくった里菜は、美緒の家の前まで来ていた。
家の前から、美緒に電話をかけるとすぐに出てきてくれて、里菜を家の中へ連れていった。
美緒には里菜に話したい話があったが、里菜が落ち着くまで待つことにした。
美緒にはわかっていた。
いつかこうなることが。
でも美緒は、里菜に自分で気付いてほしかった。
美緒なりの愛情表現だった。