鏡の中のアタシ。
その日1日泣きまくって、里菜が落ち着く事はなかった。
仕舞いには、泣き付かれて寝てしまった。
「もう…仕方のない子…」
美緒は、そうつぶやくと、ブランケットを里菜にかけてあげながら、タバコに火を点けて、里菜の寝顔を見つめていた。
美緒は、いつだって里菜のそばにいた。
悟の時も。
その前も。
そのものの里菜が好きだった。
だからずっと仲良くやってきた。
里菜の恋の仕方に、共感こそしていなかったが、恋の仕方は人それぞれだと思っていたから、止めたりしなかった。
でも不安だった。
傷つきたくない故の行動が、逆にもっと深く傷つく事になる日がくるんじゃないかと。
その日がやってきてしまったのだった。