鏡の中のアタシ。
噂とアタシ。
里菜はしばらく手をつけていなかった携帯を取り出した。
存在意義がなかった携帯は、すっかり充電が切れてしまっていた。
電源を入れて、メールを問い合わせると、雄也からの連絡がほとんどない事に、がっかりする。
「もうアタシに興味ないんじゃないかなぁ−…」
携帯を握り締めたまま、肩をガックリおとししゃがみこむ里菜。
そこに美緒が、家から走りだしたあの日に雄也と話したと教えてくれた。
「勝手に出ちゃってごめんね…。雄也に待っとけって言っておきたかったの。」
謝る美緒だけど、里菜は安心と同時にうれしかった。
美緒の配慮に感謝した。
一週間の放置になるところだった…。