鏡の中のアタシ。



「うわぁーん…良かったよぉ…」

里菜は一気に気が抜けて、その場にしゃがみこみ、まるで子供のように泣きじゃくった。


「そんなに、泣くなよ…」

少し困りながらも、雄也は優しく里菜をあやした。


実際には、雄也自身迷っていた。
どこまで信じたらいいのか。
だけど、真剣な目や、仕草、こうやって泣きじゃくる姿をみちゃったら、里菜を疑う気持ちなんか薄れた。

信じてみたい気持ちの方が勝っていた。




「…本当の好みや趣味、これから教えろよな。」

「…うんっ!」

勇気を振り絞って、逃げないで良かったと、里菜は心から感じていた。




里菜の手首に光るたくさんのハートのブレスレットは、2人の顔をバラバラの位置に写していた…。


どうせなら、一緒に写してくれたらいいのにと願うのだった…。
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