初恋~永久に君と~
~10歳の時~

いつものように私たちは公園で遊んでいた。

「桃花」

「ん、何?」

呼ばれて振り向くと何か悲しげな将紀の姿があった。

「俺、引っ越しすることになった」

嘘。

なんで?

ずっと一緒にいるっていったじゃん!!

「なんで!?」

「親が離婚してお母さんの方について行くようになったんだ」

「将紀だけ残ったらいいじゃん!!ウチにいてもいいから!!」

そんなことを言ったもののお母さんが許してくれるわけもなく

幼い自分たちでは何もできず

とうとう引っ越しの日が来た。

「今までありがとうね桃花ちゃん」

見送りに来ていた私に将紀のお母さんが言った。

すると将紀が車から降りてきて、

「これあげる!!」

そう言って私の手の中にいれたのは

ピンク色のクローバーのお守りだった。

「これがある限りずっと一緒だから!!だからいつか会える日まで待ってて!!」

そう言うと将紀は青色のクローバーのお守りを出して言った。

「うん、ずっと、ずっと待ってるよ」

そう言って精一杯笑った。

すると将紀は安心したように車に乗り、

車は発進した。

< 2 / 12 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop