MeLdy~メロディー~


『行ってきまーす!』


玄関の扉を開ければ
いつも通り、
目に入るのは
見渡す限りの田んぼ。

アタシの地元は
現代じゃ稀に見る
田舎ってやつだ。

本当に、全く
な~んもない。

コンビニは
自転車で20分
くらいかかるし、

スーパーは
電車で一駅離れた
所が1番近い。

《不便》

その言葉が1番
似合うのは多分、
日本中でこの町
くらいじゃないカナ?

なんてね。

でもアタシ、
ここは嫌いじゃない。

だってね、

空気は凄く綺麗だし
都会と違って
広々してる。

それに今日も
凄く空が高い。

ただ…

困った事が1つ。

アタシの通う高校は
ここから電車で
6つ離れた場所。

時間にして
約1時間ってとこ。

電車は30分に
1本しかないし、

そこからまた
バスに20分も
揺られなきゃいけない。

ちなみに
夏真っ盛りの今は
最悪に暑い…

そんな今日、アタシ

那波 羚華―ナナミ レイカ―

はちょっとした
訳があって
朝っぱらから
田舎道を
歩いているのです。

< 3 / 53 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop