MeLdy~メロディー~
由榎莉も補習仲間。
クラス全体でも
たった6人しかいない。
「も~らい!」
『ちょ、由榎莉!』
ボーッとしてたら
後ろから由榎莉に
下敷き奪われた!
薄っぺらいアタシの
下敷きは今、
由榎莉の手の中で
パタパタと
音を鳴らしながら
風を送っている。
ただ1つの
暑さを紛らわす道具
を奪われて、
アタシはどっと
肩を落とした。
取り返す気力は、
高い気温に
溶けたみたい…
「ねぇ、今日
何時に終わるカナ?」
『いつもと
同じじゃない?』
「って事は…、
バイトには
間に合うか。」
机にノートや
参考書を広げる
アタシを余所に
由榎莉は1人で
話を完結させたよぅだ。
…バイトかぁ…、
『ねぇ由榎莉、
バイトって…
大変?』
「何、急に。」
『いや、
なんとな~くね。』
「楽じゃないけど…
まぁお金もらって
働いてんだからね。」
『ふぅ~ん』
さも当たり前に
そぅ言った由榎莉が
なんだか少し
大人びて見えた。
バイトは…
したことない。
アタシの知らない世界を
知ってる由榎莉は
こうしてたまーに、
大人びた顔を
見せる子だ。