地味なあたしと不良軍団
再び佐藤家をでて、依奈は悠真のバイクの後ろに乗った。
「お前…」
「…え?いかないの?」
きょとんとする彼女を見て、悠真はぽかんとする。
なぜだか自分に馴染んでいる感じがする。
今は、オドオドした雰囲気は無い。
「しっかり掴まってろ」
「うん」
大人しく、悠真の腰にしがみついた。
*
「秋、奏ちゃん。」
「うわ、薫がきた!」
「奏ちゃん言うな」
嫌そうな声をあげる秋に対して、奏は不機嫌な顔をみせた。
「お邪魔しますー」
「…いきなり人ん家来てなんなんだよっ!」
堂々と秋の家に入ってくる薫。
「奏ちゃん、依奈ちゃんシックやろ?」
「は?んだよそれ」
「依奈ちゃんに会いたいやろなあ思て」
肝心なところを言わない薫に二人はイライラする。
「だからぁ?」
秋は溜め息混じりに問う。
「呼んであげた。」
語尾にハートがつく勢いで告げた。
依奈に惚れている秋と奏は自分勝手な薫に呆れた。