地味なあたしと不良軍団
「…呼んでどうすんだよ」
「どうもせえへん。ただ、依奈ちゃんの気持ち知りたいんや」
「…キモチ?」
「そや」
突然変なことを言い出す薫に二人は首を傾げる。
「…あ、」
「なんや?」
「依奈が来るなら悠真も来るだろ」
「…ほんまかいな」
「アイツ、悠真ん家泊まるらしいし。」
奏が言った直後、外にバイクの音が響く。
丁度、秋の家の前で止まった。
「…」
「悠真先輩じゃん」
1分もたたないうちに悠真と依奈が来た。
秋はドアを開け、二人を受け入れる。
「…奏くん!」
依奈は奏の姿を見つけた瞬間、表情がぱあっと明るくなる。
彼が両手を広げれば、躊躇いなくそこに飛び込んだ。
ぎゅぅっ!
「何コイツ等」
「奏羨ましー!」
「…。」
上から悠真、秋、薫の順で口々に感想をのべた。
朝から少し会えなかっただけでコレだ。
本当にお互い離れて暮らせるのだろうか。
「…あ、薫くん…用って?」
依奈はここにきた理由を思い出す。