地味なあたしと不良軍団
「依奈、」
「ぅわっ!」
急に腕をひかれて、膝の上に乗せられた。
「なっ…な、///」
上手く言葉がでない。
悠真は楽しそうに笑う。
彼の手が厭らしく太ももを撫でた。
「ひぅっ///」
「…依奈、ここで食えよ」
耳元で囁くような声に彼女は顔が真っ赤。
頭はパンク状態。
「む、むむむり…」
家政婦と美紅の視線が突き刺さる。
(悠真様になにしてんのよあの女ァ!)
(きゃーっ!もっと攻めちゃえお兄ちゃん!)
それぞれ思っている事はまったく違う。
「と…とにかく、あたしはっ…いいよ」
なんとか彼の膝から降り、ほっとため息をついた。
「部屋行ってろ」
ここで待っていても居心地が悪い事が目に見えている。
その言葉に依奈が頷くと家政婦が小さく舌打ちした。
ばたん、
悠真の部屋にはいり、ドアにもたれかかりながらずるずると座り込む。
「…奏くん、」
会いたい。
なんだか落ち着かない。
やっぱり、あのアパートで暮らしていたかった。