地味なあたしと不良軍団
お姫さま
*
「あー!お兄ちゃんっ!依奈お姉ちゃんっ!おっかえり!」
コンビニに行ってからもう一度秋の家により、そして悠真の家に帰宅した。
美紅は凄まじい勢いで抱きついてくる。
依奈は優しく抱き止め笑った。
「ご飯できてるよ!」
家政婦がしたのだろう。
美紅に手を引かれるままリビングへと向かった。
「あら、いらっしゃい。」
中年の女性が依奈を見てニコリと笑う。
優しそうな雰囲気に安心した直後だった。
ぼそ、
「悠真様に手だしたら、あなたの命は無いわよ」
怖っ!
すれ違い様に言われた言葉に依奈は青くなる。
「そ、そんなつもりまったくないっ…です」
「夕食にしましょうか」
彼女の言葉をスルーし、家政婦は席についた。
あ、あれ、椅子が足りないんですけど。
なんだか気分が悪くなってきた。今日は色々ありすぎて疲れた。
「…あたし、ちょっとお腹の調子が悪いので夕食は遠慮させてもらいます。」
「あらそう?残念」
家政婦は嬉しそうだが、悠真は不服そうだ。