地味なあたしと不良軍団

護るから。


*

「依奈、かえろ」
恵美の声に彼女は頷いた。

「泊まるの久しぶりだね~」
「そうね、今夜は寝かせないわよ!」

「へ?」
「昨日何があったか聞かせてもらうわ」

楽しそうな表情をする彼女に依奈は苦笑した。

別にたいした事は無かった、はず…?

ぼんっ、と顔が真っ赤になった。
思い出した。

たいした事ありすぎだよ!

「あ、依奈には悪いけど私の従弟くるらしいのよ」

「従弟がくるのにあたしが泊まっていいの?」

「当たり前でしょ」

話を聞くと、その従弟は今年入学したばかりらしい。

まったくそういう話を聞いていなかった、と言えば話すタイミングが無かったと言う。

話をしているうちに恵美の家についた。

がちゃり、

ドアを開くと立っていたのは恵美の従弟らしい。

「お帰り、恵姉」
「ただいま…あ、この子が従弟の大地(だいち)よ」

「はじめまして、幾多依奈です…」
「うん、知ってる♪」
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