地味なあたしと不良軍団
「俺の父親が、依奈ちゃんの親の会社を倒産させるまで追い込んだんだよ」
「っ、どいて!!」
依奈は強引に彼を押し返した。
「だからって、あたしは…別に大地くんのこと嫌いにはならない。押し倒したりキ、キスとかしようとしたりするほうがよっぽど嫌いだよ…」
今更何をしても遅いのだ。
「うん、そっか。安心した」
なら、俺と婚約しても大丈夫だね!とにっこり笑う彼に依奈は目を見開く。
「…え?、ま、待って、今なんて…」
「婚約」
語尾にハートがつく勢いで言う彼に彼女はなにが何だか分からない。
「いずれわかるよ、依奈ちゃん」
「…変なこと、考えてないよね?」
「さあ?どうでしょう。」
依奈は思った。
彼は苦手だ。
「とにかく、あたしは好きなひといるし…大地くんとは…」
「わかってるよ。」
けど、絶対に手に入れてやる。
大地は依奈の隙をつき、唇にキスを落とした。