地味なあたしと不良軍団
*
ぱたん、
恵美の部屋のドアが静かにしまった。
依奈はぼふっと布団に寝転がる。
湯上がりのせいではない、火照った頬を押さえて溜め息をついた。
「依奈、大地はあたしが締め上げといたから。」
「…恵美ちゃん」
「なあに?」
「あたし、…やっぱり普通の地味の方が似合ってるよね」
最近眼鏡をかけている時の方が少ない。
今だってコンタクトだ。
眼鏡が壊れてしまってスペアもないため仕方ない、けれど。
眼鏡が無いことにより、素顔がバレて色々悩む事が増えた。
「しょうがないよ、だって依奈は可愛いんだもん。」
幾多家のひと、皆美人で羨ましいと恵美は言う。
「び、美人じゃないし!可愛くないよ!!」
「自覚ナシなわけ?あんだけモテてるのに。」
「も、モテてない!」
がばっと起き上がり、恵美に反論する。
「…恵美ちゃんは、薫くんとどうなの?」
「どうって、」