地味なあたしと不良軍団

婚約します


「…ねえ」
校舎裏に五人はいた。

奏、恵美、薫、悠真、秋。

最初は悠真だけ呼んだのだが薫に運悪くバレてそこから秋へと伝わったのだ。

授業より依奈争奪の方が面白そう、と言う。
「…薫、ふざけるのなら、」
「冗談やて。で、オレはどうすればいいん?」
「…とりあえず、恵美」

奏は突然恵美を呼ぶ。
名前で呼ばれた事に驚き顔をあげれば、彼はにやりと笑う。

「大地の場所、教えろ。」











*

「お前等…」
悠真の眉間に皺が寄る。

「邪魔なんだよ!」
「邪魔だってさ、お前等はチャリ漕げ」

悠真のバイク一つに全員が乗ろうとした所を、秋と薫だけが足蹴にされる。

悠真の後ろに奏、そしてその後ろに恵美が乗る。

すぐ近くでは秋が自転車を漕ぎ、荷台には薫が座る。

「で、場所は?」
悠真はイラだったように恵美に問う。

「そこを真っ直ぐ行って、右に曲がれば大きい屋敷が見えると思う…」
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