地味なあたしと不良軍団
執事カフェ
♪~♪~
メールの着信音が鳴った。
依奈は大地から離れて携帯を見た。
【学校近くの公園に来て】
恵美からだ。
「恵美ちゃんに呼ばれたんだけど…」
大地に遠慮がちに聞いた。
彼は少し考えてから、彼女に笑いかける。
「明日、またこの家に来てよ」
「明日?」
「そう、あ、別に泊まってもいいよ。」
それはなんだか悪い気がして、依奈は首を横にふった。
「ううん、遠慮しとく。…
えと、じゃあ、あたし行っていいの?」
「うん」
「…じゃあ、また明日?」
大地は頷く。
そして近くの棚に置いてあったメガネケースを投げた。
「それ、俺のだけどあげる。」
依奈ちゃんの壊れただろ?と付け足す。
上手くそれをキャッチし、そして困ったような笑顔でありがとうと礼を言った。
(本心は依奈ちゃんの素顔を見られたくないだけなんだけど。)
「じゃあ、行くね!」
がちゃり、
扉を開けて玄関へと向かった。
大地は手をひらひらとふる。
恵美は何の用なんだろう。
少しだけ、気まずいような気がする。