地味なあたしと不良軍団

「…勝手すぎるよぉ、」
お母さん、お父さん、


転校してもいいですか。


きっと駄目だと言うに決まっている。
依奈は悠真に潰されるのだけは勘弁したいためにしょうがなく頷いた。

付き合ってないと、ここで言い張っても生徒は信じてくれないだろう。

「…それと、俺の事は悠真って呼べ」
「…うん」

まわりより長いスカートを握りしめ、顔をしかめて頷いた。

とりあえず、どうして付き合ってる事になっているか知りたい。
悠真に問う為にも、放課後残らなければいけない。

こんな地味でブスなあたしなんか、興味ないくせに。

どうして、こんな噂がたったんだろう。
とりあえず席に座ると、恵美がいないまま二時間目が始まった。






*

「で、何か用なわけ?」
使用していない特別教室。目の前には橘薫。

「オレと付き合わんか?」
「…は?」
「依奈ちゃんと一番なかいいんやろ?」
「そうね、そうだと思う。」
「だから、依奈ちゃんに危ない目にあってほしくないやろ?」

これは脅し。
付き合わなかったら、依奈が危ない目にあう。

「…何が目的なの?」
「別に、目的とかあらへん。ただの暇潰しや」
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