地味なあたしと不良軍団
…自分も、ハデになる?
一瞬そんな考えが浮かんだ。化粧なんかしたことない依奈にできるわけない。
首を横にふって、本日二度目のため息をついた。
宿題を終えた頃に、がちゃりとドアが開く音が聞こえる。
友達が来たのだろう。
依奈はなるべくリビングから出ないようにしようと決めた。
簡単な夕食を作り、1人テーブルで食べる。
それに慣れてしまった自分が凄いと感じながら手をすすめた。
数少ない友達からメールが来ているが、返す気にはなれなかった。
夕食後、二階の弟の部屋から笑い声が堪えない。
少し煩いな、と感じたくらいだ。
依奈は気にせず風呂に向かう。
ちゃぷん、
「ふう、」
眼鏡をとるとやっぱり周りが良く見えない。
おさげをとった長い髪を洗おうと体を浮かした時だった。