地味なあたしと不良軍団

…自分も、ハデになる?

一瞬そんな考えが浮かんだ。化粧なんかしたことない依奈にできるわけない。

首を横にふって、本日二度目のため息をついた。

宿題を終えた頃に、がちゃりとドアが開く音が聞こえる。

友達が来たのだろう。
依奈はなるべくリビングから出ないようにしようと決めた。

簡単な夕食を作り、1人テーブルで食べる。
それに慣れてしまった自分が凄いと感じながら手をすすめた。

数少ない友達からメールが来ているが、返す気にはなれなかった。

夕食後、二階の弟の部屋から笑い声が堪えない。
少し煩いな、と感じたくらいだ。

依奈は気にせず風呂に向かう。
ちゃぷん、

「ふう、」
眼鏡をとるとやっぱり周りが良く見えない。

おさげをとった長い髪を洗おうと体を浮かした時だった。
< 3 / 178 >

この作品をシェア

pagetop