地味なあたしと不良軍団
告白
秋と冬木が帰ったあと、依奈と奏はぼうっとしていた。
「…明日、荷物いるものだけまとめろ」
何を言い出すかと思えば…。
「…うん」
「たぶん、このアパートに居られるのは今月一杯だと思う。」
「ってことは、明後日まで!?」
今更騒いでもしょうがないが、騒がずにいられない。
「ど、どうしよ…」
「ダチ頼るしかねえだろ」
はあー、と奏は大きなため息をついた。
「どれもこれも、全部あいつのせいだ」
あいつ…、実の父。
依奈は少しだけ悲しくなる。
そして、
無意識に奏を抱き締めていた。
ぎゅ、
「…依奈?」
「…あたしはね、奏くんが好きだよ。」
「な、なんだよいきなり」
「なんでもない…ただ、言いたくなっただけ」
彼が、あまりにも悲しそうな表情をするから抱き締めずにはいられなかった。
「…誘ってんのか?」
「え?」
どさ、
冷たい床に押し倒された。