お嬢様はヤンキー様。


プチ家出した母さんに、

泣きじゃくる妹弟たち。

呆然とする俺。

いびきをかいて寝てる親父…。


あれ?


なんか間違えた、俺?


もう一度、耳を澄す。


……グオー…グゥ…グオォォ…グゥ………。


いや、間違えてねーよ。

呑気にいびきかいて寝てるよあの親父。


俺はそうっと親用の寝室に入り、布団にくるまってる親父に向かってダイブする。


……フンガッ。


…豚か。


「おいブタ親父起きろ!」


思いっきり耳元で大声を出すと、豚は目をパチパチさせて俺を見る。


「…し…志弘か…。」


「志弘かじゃねーよ。
母さん、家出したよ。
親父が倒産したから。」


すると親父は、


「そ…そんな…
父さん、倒産したから?」

なんてまたギャグを言う。


「もういいわ、それ。
リアルに笑えねーから。」

そう言うと親父は、首を傾げる。


…あ、言い出しっぺは、母さんだ。

まぁ、いっか。


頼むからそこで呑気に寝てた事を盛大に反省してくれ、親父。



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