お嬢様はヤンキー様。
ガラッ
すんごいタイミングで井川が進路相談室から出てきた。
「あ、城戸さん。
……って、あれ?
朝倉くん!?
大丈夫!?」
井川は俺の体をゆっさゆっさ揺らす。
「だ…だいじょうふ…れす。」
顔面ヒットだから上手く呂律がまわらない俺。
「あははっ!
朝倉、かっこ悪ー!」
城戸、爆笑してやがる。
おのれ、城戸め…。
俺は怒ったら恐いんだぞっ!!
「朝倉くん、ホッペ腫れてるよ?
本当に大丈夫?」
井川が俺の頬を不安げな顔で見ている。
…優しい。
まじ、優しいよ。
「あらりゃ、井川、駄目だよ。
こんなヘタレにそんな優しくしたらぁ。」
へ…ヘタレ!?
俺、ヘタレなの!?
「別に…いいでしょう?
それに、城戸さん。あなたが朝倉くんをこうしたんだから、少しは心配したらどう?」
強くそう言った井川は、超かっこよかった。
強い…。
そしてすごい。
流石だぜ井川!