お嬢様はヤンキー様。


「そーだ!
井川の言うとーりだ!
謝れよ城戸!」


俺は井川の勢いにのりここぞとばかりに言う。


やべー
超スッキリするんですけど!


俺が清々しい顔をしていると突然、


ドカッ


俺の足に何かが直撃。


「…げふっ!」


……なに?
なにが起きたんだよ!!


俺が足元を見ると…。


そこには、井川の重たい鞄。


しかし、井川は全く気付いてない。


それどころか、城戸に敵意むき出し。


……い、井川?

痛いよ?

つーか、キャラ変わってない?


「…あたし、いくら弱いからって人に暴力奮う人、嫌いなの。」


井川は今まで聞いたことがないような低い声でそう言って、城戸の目の前まで歩いていく。


お…おいおい!!

いつもの優しい井川どこ行った?

てゆーかさり気なく俺のこと弱いって言わなかった?


「ど…どうしたんだよ、井川…」


俺が恐る恐る聞くと、とんでもない答えが返ってきました。


「…大体、朝倉くん、女子に負けるって男としてどうなの!?」


……………。


…………。


……なんの逆ギレ?
つーか、さっきの心配してたやつ、嘘だったのか!?


…………とりあえず、


ばいばい、俺の淡い恋心。


…つーかもう、この人に惚れてた自分、
消えてくれ。




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