ショーウインドー
滴り落ちる汗を拭きながら
少し笑顔を取り戻した男。




しかし男の平安は長くは続かなかった。



コツコツと深夜の店内に響くヒールの音。
離れていても鼻につく香水の香り。


そして



「殊勝な事…店の掃除なんかして…
馬鹿みたい」



この人を威圧する物言い。



掃除に励む男の背後には女社長が立っていたのだ。
< 7 / 72 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop