地下
―――――――――――
―――――――
――…

私…


死んだの?


白い。


白が舞って…


…冬が空から落ちてきた。


小さい掌に雪が溶け込んだ。


幼い頃のわたし?


思い出した。


あの頃、見えないモノまで見えてたんだ。


「雪だるまさんのお目目はこれー」


小さな愛華は石ころを拾った。


雪の上を歩くと長靴が埋もれそうになる。


「うんしょ、あれー?」


隣の敷地にある小屋。


小さな誰かが入っていった気がした。


「ねー、一緒にあそぼー」


まだ幼い愛華は無邪気に小屋へ駆けていく。


近くで雪寄せをする母は気付いてはいなかった。
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