私は神を信じない
五章 闇に堕ちる前
なんとなく思った事などその通りになるわけもなく私と美佳は行くあてもなく夜の街をひたすらさまよう生活を続けていた。
「金が欲しい」
「さすがにここまでくるとしんどいね」
「ごめんなぁ、あのまま美佳は…」
「杏子!!」
「そうだな、今の言葉こそごめん」
「そうだよ、絶対あたし達でも生きていく場所はあるよ」
美佳はこんな状況でもまぶしいくらい強かった。そんな美佳にこれ以上苦しい思いは…それだけを考えるようになっていた。
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