私は神を信じない
体を売れば簡単に大金が手に入る、これならやっていけると私はこの時思った。
「ヤッホー杏子」
「美佳どーだった？」
「最高だよ、住み込みで働かしてくれるってとこ見つけたんだ」
「よかったじゃん、私もこれ見て」
「どしたのこの大金？」
「今日一日頑張ったんだよ」
「何したの」
「ちょっとね、まぁ私のほうは現金は手にしたけど収穫はなしさ」
「じゃぁよかった、杏子も一緒に暮らせるんだよ」
「私もいいの？美佳こそ何したんだよ」
「おばあさんがね荷物いっぱい持ってたから手伝ってあげたの、それでねあたしたちの話したんだ」
「それでなんで住み込みで働けるんだ」
「旦那さんがね居酒屋やってるんだって、でそこのお手伝い」
「家は」
「おばあさんの家、身内もいなくて二人きりだから、寂しいかったんだって」
「そんなうまい話があるかな、美佳騙されてんじゃない」
「まぁとにかく杏子も会ってみて、絶対いい人だってわかるから」

いつもまっすぐで単純な美佳、私が守ってあげないと絶対にこの子は騙されるよ。そんな事を考えながら美佳に言われるままついていく事にした。
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表紙・目次

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