君はここにいた。


 相談すれば良かったのに。


 中学に入る直前、姉にそう言われたのを覚えている。

 もともと臆病で貧弱だった僕は、誰かに相談することさえ怖かったのだ。

 誰かを巻き込みたくない、とかそんな格好良いことを思ったわけではない。ただ単に勇気がなかっただけだ。


 きっと誰かしら気づいて僕を助けてくれる。そう勝手な想像をしていた。


 しかし現実はそう甘くない。


 それまで仲良かった奴等も、僕に対する態度は次第に変わっていった。
 誰一人として、僕を助けようと必死になる奴はいなかった。

 「友達」なんてそんなもの。
 この時僕はそう学んだ。



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