君はここにいた。


 中学校入学を目前にして、僕は親の仕事の都合で引越しした。

 おかげで僕に対するいじめはすっかり無くなった。何事もなく平和な学校生活だった。


 だけど、僕は誰一人クラスメートを「友達」として見ることが出来なかった。



 もし、また僕がいじめの標的にされたら、きっとコイツ等は僕なんか見捨てて加害者の奴等と肩を並べるのだろう。



 いじめられっ子時代に学んだことが、どうしても頭を過ぎるのだった。


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