かえりみち
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中庭を、安川と幸一が歩いている。

「いやー楽しかった。教えるのが天職だっていうお前の気持ち、ちょっと分かったような気がするよ。」

授業を終えて、晴れやかな表情の幸一。

「だろ?」
気持ちを隠して、微笑む安川。
あぁ、島田。楽しいばかりじゃ、ないんだよ。

「それにしても、学生時代の話を暴露するのは、ほどほどにしてくれよ」

「アハハ。でもあれが一番受けてたじゃないか」

「居眠りしてた教授のまぶたに、目を書いたって話?勘弁してくれよ。あの後、どれだけ怒られたことか」

歩道の脇に掲示板があり、幸一が足を止める。
サークル募集やイベントの告知などが所狭しと張られている。

「懐かしいな、こういうの」

「そだな」

その中の一つに、幸一の目が止まる。
驚きに、顔から笑みが引いていく。

「どうした、島田?」

紙の一番上に、「子ネコのもらい手探してます」と書かれている。
そして、その下に、ネコの写真。
そして、そのネコを抱いているのは・・・

コンサートホールで出会った、あの青年だった。

「この子!ここの生徒なのか?!」

幸一の言葉に、安川は驚いた。

「葛西卓也を、知ってるのか?」






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